年末が近づくとよく耳にする「師走」。この言葉、何月のことだか知っていますか?そう、12月のことなんです。
今回は、「師走」の意味、由来、そして日常での使い方についてお話しします。
「師走」って何月?その意味や由来を解説!
「師走」という言葉、12月のことを指す日本独自の呼び方です。でも、ただの月の名前じゃないんです。ちょっと深い意味があるんですよ。
師走って何?
「師走(しわす)」って、12月の和風月名です。これ、旧暦の用語で、今でも使われているんですよ。旧暦の12月は新暦の1月上旬から2月上旬くらいに相当しますが、今では師走=12月として定着しています。
なぜ「師走」と呼ぶの?
この名前、なんとなく忙しそうな響きですよね。実はその通りで、「師」が年末の忙しさに走り回る様子から来ています。年末に向けて何かと走り回る僧侶の姿を連想させるんです。また、一般の人々も年末の大掃除や準備で忙しいから、この名前がピッタリきますね。
旧暦と新暦、その違いって?
今使っている新暦は太陽を基準にしたグレゴリオ暦。一方、旧暦は太陽と月の両方を基準にした太陽太陰暦です。新暦では毎年365日(うるう年は366日)ですが、旧暦は月の周期を基にしているため、年によっては「うるう月」が加わり13ヶ月になることもあるんです。この違いが季節のずれを生んでいました。明治時代に日本が世界に合わせて新暦を採用した背景には、国際交流の便宜もありました。
師走はただの12月とはちょっと違います。この時期は忙しいけど、それを感じさせる素敵な和風月名です。年末のこの忙しい時期、師走という言葉を使って、少しでも風情を感じながら年末を過ごしてみてはいかがでしょうか。
師走の意味とその由来、どこから来たの?
師走って聞くと、年末の忙しさを感じさせる言葉ですよね。でも、この言葉の背景にはどんな意味や由来が隠されているのでしょうか。いくつかの説がある中で、どれが一番正しいのかははっきりとはしていませんが、それぞれの説から師走がどれだけ忙しい時期かがよく分かります。
僧侶の忙しさを表す?
まず、「師」とはここではお坊さんのことを指します。昔の日本では年末年始に先祖供養が行われ、それに伴い各家庭では僧侶を招いてお経を上げてもらうのが一般的でした。12月は特に仏名会という大事な法要があるため、寺院は特に忙しい時期。このため、僧侶が忙しく走り回る様子から「師走(しはす)」と呼ばれるようになったとされています。
寺社の御師も忙しい?
次に、「師」は御師(おんし)を指すという説もあります。御師は寺社で祈祷や参拝客の世話をする役職。師走の期間は仏事や神事が多く、御師もまた忙しく動き回る必要があったため、その様子が「師走」という言葉に反映されたと考えられています。
年の終わりの象徴?
また、「年果つ(としはつ)」という言葉が年末を意味していたことから、「しはす」へと言葉が変わったという説も。さらに、四季が終わることから「四極(しはつ)」と呼ばれ、それが師走に転じたとも言われています。
どの説も師走がいかに多忙な時期であるかを色濃く表していますね。年の瀬が近づくと自然と忙しさが増すわけですが、その背景にはこんな歴史的な理由があったんです。師走をただ忙しい月と捉えるだけでなく、その由来を知ることで少しは忙しさも愛おしく感じられるかもしれませんね。
師走の異名たち、何て呼ばれていた?
12月、つまり師走。この月にはいろんな異名がつけられていて、それぞれがこの月の特徴を表しています。今回は師走の異名をいくつかご紹介します。
異名1:「晩冬(ばんとう)」
旧暦での冬は10月から12月まで。師走はその最後を飾る月なわけで、冬の終わり、つまり「晩冬」と呼ばれることも。寒さが深まる中、一年の終わりを感じさせる名前ですね。
異名2:「三冬月(みふゆづき)」
これも冬の三カ月の最後を指す名前です。12月が年内最後の冬の月として「三冬月」と呼ばれたわけで、これもまた季節の流れを感じさせます。
異名3:「春待月(はるまちづき)」
師走が終われば、旧暦で言う春がやって来ます。だから「春を待つ月」、すなわち春待月。年の瀬の忙しさの中にも、新しい始まりへの期待を秘めた名前です。
異名4:「苦寒(くかん)」
冬の最末期、寒さが一番厳しくなる時期を「苦寒」と表現。この言葉には、寒さに耐え忍ぶ厳しさが込められています。特に昔の人々にとっては、生活に直結する大変な季節だったことでしょう。
異名5:「歳極月(としはすづき)」
年の終わり、つまり歳が極まる月という意味で「歳極月」とも。一年の締めくくりとしての師走を象徴する名前です。
師走の異名はどれも、この時期ならではの雰囲気や気持ちを映し出しています。いずれも年の終わりを感じさせ、新たな始まりに心を向けさせる言葉たちです。
師走ってどんなときに使う?
12月、忙しい日々が続くこの時期を表す「師走」という言葉。ビジネスの場でもプライベートでも、ちょっとした挨拶に便利な言葉ですね。今回は、師走という言葉の使い方について詳しく説明していきます。
いつまで「師走」と言っていいの?
師走という言葉は12月の早い段階で使い始めるのがベストです。12月に入ったらすぐ、「師走の候」と使うことができますが、12月中旬を過ぎると少し違和感が出始めます。12月20日頃になると、もうすぐ年が変わることを意識し始める人も多いので、「年末の候」「歳末の候」といった言葉に切り替えるのが良いでしょう。
ビジネスで使う「師走」の例文
師走に入り、何かとお忙しいことと存じますが、お身体ご自愛くださいませ。
これらはビジネスの手紙やメールで使える典型的な挨拶です。「◯◯の候」という表現は、日本のビジネスシーンでよく使われる敬語の一つ。特に師走は年末の忙しさを共感しながら、相手に配慮を示すのにぴったりな表現です。
日常での「師走」の使い方
師走の寒さが身にしみる今日この頃、いかがお過ごしですか?
こんな感じで日常会話にも取り入れてみると、季節感を出しながら自然と会話が弾むかもしれません。
たかのり
師走という言葉一つで、話の幅がぐっと広がりますよ。
師走の言葉を上手に使いこなして、12月の慌ただしさをちょっと楽しみながら過ごしてみてはいかがでしょうか。
師走って何月?その意味と豆知識をまとめてみた!
師走、それは12月のことを指す言葉で、日本の伝統的な月の名前の一つですね。和風月名としての「師走」は、年の最後の月、つまり現在のグレゴリオ暦でいう12月を指します。でも、旧暦ではこの12月は新年に近い1月上旬から2月上旬に相当します。
師走の語源には複数の説があって、どれも面白いですよ。一つは、年末にお坊さんたちが忙しく走り回ることから来ているというもの。また、もう一つの説では、「年果つ(としはつ)」つまり「年が終わる」ことから転じたとも言われています。どの説も、12月がどれだけ忙しい月かを物語っていますね。
さらに、師走にはいくつかの異名も存在します。「晩冬」や「三冬月(みふゆづき)」など、どれもこの時期の特徴を捉えた呼び名です。特に「歳極月(としはすづき)」という名前は、一年が極まる月としての意味合いが強く感じられます。
師走はただの12月というだけではなく、一年の締めくくりとしての重要な役割を持つ月です。そのために「師走の忙しさ」という言葉があるわけですが、この時期にはそれぞれが何かと忙しいでしょう。ただ、この忙しさを感じながらも、何か新しいことを始めたり、一年を振り返る良い機会ともなります。
この師走を使った表現や挨拶も季節感を感じさせてくれるものです。例えば「師走の候、皆さまいかがお過ごしでしょうか」などと年末の挨拶に取り入れてみると、ぐっと季節を感じることができるでしょう。
まとめると、師走はただの12月ではなく、日本特有の文化や言葉が色濃く反映された月なのです。この師走を過ごしながら、一年の終わりと新たな始まりを感じてみてはいかがでしょうか。