インターネット上で話題の「日本一汚い方言」とも称される三河弁に光を当て、そのユニークな特性を紹介します。
愛知県の東部地域で広く話される三河弁は、「じゃん」「だら」「りん」といった独特な語尾が特徴的です。
愛知県と聞くと名古屋弁が思い浮かびますが、実は三河弁も地元では頻繁に使われている方言です。
この方言は、標準語に似たイントネーションを持つことがありますが、「放課=休み時間」や「けったマシーン=自転車」といった独自の単語も存在します。
この記事では、以下の内容を詳しく掘り下げています:
- 三河弁の一般的な意味とその使い方
- 三河弁に特有の語尾の概要
- 五十音順に並べた三河弁の詳細なリスト
三河弁あ行一覧
- あらすか:ほとんどない
- いきっとる:暑苦しい
- いっしょくた:まとめる
- えらい:大変
- おいでん:こちらへ来る
あらすか
「ほとんどない」と表現する三河弁です。
何かがほぼ存在しない状態を指します。
三河弁になじみのない人には、アラスカ州を想起させるかもしれません。
これは三河弁の中でも上級者向けの表現です。
例文:
そんなところにあらすか!
(そんなところにあるはずがない!)
いきっとる
「暑苦しい」という意味を持つ三河弁です。
特にジメジメとした暑さを表現するのに用います。
関西弁の「いきる」とは少し違うニュアンスを持ちます。
例文:
この夏は、いきっとるわ。
(この夏は、異常に暑くて蒸し暑いわ。)
いっしょくた
「まとめる」という意味の三河弁です。
例文:
準備した食材をいっしょくたにする。
(準備した食材を一緒にする。)
えらい
「しんどい」、つまり「大変」や「疲れた」を表す三河弁です。ただし、一般的に使われる「偉い」とは異なるので、混同しないようにしましょう。
例:
遅くまでの残業はえらいね。
(遅くまで残るのは大変だね。)
おいでん
「来なさい」という意味を持つ、人を呼び寄せる際に用いる三河弁です。
例:
こちらにおいでん。
(こちらに来てください。)
三河弁か行一覧
- 鍵をかう:鍵を閉める
- きんにょ:昨日
- ぐろ:隅の方
- けった:自転車
- こすい:ずる賢い
鍵をかう
「鍵を閉める」という意味を持つ三河弁。ここでの「かう」は購入を意味するわけではないので、注意が必要です。
例:
家を出る時は、鍵をかっといてね。
(家を出る時は、鍵を閉めておいてください。)
【見出し】きんにょ
「昨日」という意味の三河弁で、「にょ」という響きが特徴的です。
例:
きんにょのドラマは面白かったね。
(昨日のドラマは面白かったね。)
ぐろ
「隅の方」と表現する三河弁です。少し上級者向けの言葉ですね。
例:
「ペンどこに置いたんだろう…」「机のぐろにあったよ。」
(「ペンどこに置いたんだろう…」「机の隅にあったよ。」)
けった
「自転車」という意味の三河弁。別名「けったマシーン」とも呼ばれますが、「蹴る」という意味ではないので、間違えないようにしましょう。
例:
けったで行く。
(自転車で行く。)
こすい
「ずる賢い」という意味を持つ三河弁です。テレビで聞くこともあるかもしれません。
例:
あなたこすいやっちゃな!
(あなた、ずる賢いね!)
三河弁さ行一覧
- さばくる:探し出す
- 車校:自動車教習所
- すいとる:空いている、人が少ない
さばくる
「探し出す」という意味を持つ三河弁です。日常会話では珍しい表現かもしれません。
例:
鍵が見つからなくて、家じゅうをさばくってみよう。
(鍵が見つからないので、家じゅうを探してみよう。)
車校
「自動車教習所」を指す三河弁で、特に若い世代によく使われる言葉です。
例:
来週から車校に行くんだ。
(来週から自動車教習所に行くんだ。)
すいとる
「空いている」とか「人が少ない」という意味の三河弁。広々とした空間や人混みが少ない状況を表現するのにぴったりです。
例:
今日の電車はすいとってるね。
(今日の電車は空いてるね。)
三河弁た行一覧
- ちいと:わずか、少し
- ちょうらかす:からかう、冗談を言う
- でんしんぼう:電柱
- どんごろ:セミの抜け殻
ちいと
「少し」という意味の三河弁で、身近な感じがします。多くの人に理解しやすい表現です。
例:
ちいと手伝ってくれる?
(少し手伝ってくれる?)
ちょうらかす
「からかう」という意味の三河弁。楽しい会話の一部として使われることがあります。
例:
いつも人をちょうらかすのはやめてよ。
(いつも人をからかうのはやめてよ。)
でんしんぼう
「電柱」という意味を持つ三河弁。標準語での「でんしんばしら」と非常に似ています。
例:
昨日、車ででんしんぼうに近づきすぎた。
(昨日、車で電柱に近づきすぎた。)
どんごろ
「セミの抜け殻」を意味する三河弁。標準語の「どんぐり」とは異なるので、混同しないようにしましょう。
愛知県東部でセミの抜け殻を見かけた際に使ってみてはいかがでしょう。
例:
公園でどんごろを見つけたよ。
(公園でセミの抜け殻を見つけたよ。)
三河弁な行の言葉一覧
- なるい:弱い、力が足りない
- なんば:とうもろこし
- にすい:反応が鈍い、ものぐさ
なるい
「弱い」や「力が足りない」といった意味の三河弁。特に飲み物の刺激が少ないときに使われます。
例:
この炭酸水、なるいな。
(この炭酸水、刺激が弱いな。)
なんば
「とうもろこし」という意味の三河弁。発音によっては「なんばん」とも言われます。
例:
なんばが一番のお気に入り。
(とうもろこしが一番のお気に入り。)
にすい
「鈍い」や「反応が遅い」という意味を持つ三河弁。動物や人の行動に使われることが多いです。
例:
うちの猫はにすいから、動くのが遅いんだ。
(うちの猫は鈍いから、動くのが遅いんだ。)
三河弁は行の言葉一覧
はよ:早く、急ぎ
ほいだで:そういうわけで、それ故
ほうか:休憩時間
ほかる:捨てる、除去する
はよ
「急ぐ」や「早く」という意味の三河弁。日常会話でよく耳にする表現です。
例:
はよ出かけなきゃ!
(早く出かけなきゃ!)
ほいだで
「それ故に」や「そういうわけで」という意味の三河弁。説明や理由を示す際に使われます。
例:
ほいだで、注意してほしいって言ったのに。
(だから、注意してほしいって言ったのに。)
ほうか
「休憩時間」という意味の三河弁。学校や職場などで一般的に使われる言葉です。
例:
ほうかまであと少しだ。
(休憩時間まであと少しだ。)
ほかる
「捨てる」という意味を持つ三河弁。物を処分する際に用いられる表現です。
例:
その古い雑誌、ほかってしまおう。
(その古い雑誌、捨ててしまおう。)
三河弁「ま行」の単語リスト
- まーはい:すでに、もう
- まっと:さらに、もっと
- まっといて:待機して、待っていて
- めっそ:大体の量、目分量
まーはい
「もう」や「すでに」という意味の三河弁。この単語には、「もーはい」や「まーはえ」などの地域による発音の違いがあります。
例:
まーはいそちらに着いたかい?
(もうそちらに着いたのかい?)
まっと
「もっと」や「さらに」という意味を持つ三河弁。日々の会話で頻繁に使われる表現です。
例:
まっとお茶が欲しいな。
(もっとお茶が欲しいな。)
まっといて
「待っていて」という意味を持つ三河弁。この言葉は三河弁に馴染みのない人でも知っていることが多いです。
例:
もう少しで到着するから、まっといてくれ。
(もう少しで到着するから、待っていてくれ。)
めっそ
「目分量」や「大体の量」という意味の三河弁。料理などで使われ、「めっそう」と発音されることもあります。三河弁を使う上で、少し高度な言葉です。
例:
このスープの塩加減は、めっそで大丈夫だよ。
(このスープの塩加減は、目分量で大丈夫だよ。)
三河弁の「や行」一覧
- やぐい:脆い、簡単に壊れる
- やっとかめ:ずいぶんと長い間、久々
- よど:唾液、よだれ
やぐい
「脆い」や「簡単に壊れる」といった意味の三河弁。日常の会話ではあまり耳にしない表現です。
例:
その器はやぐいから、注意して使ってね。
(その器は壊れやすいから、注意して使ってね。)
やっとかめ
「久々」や「長い間ぶり」という意味の三河弁。長い間会っていない人との再会などに使われます。
例:
やっとかめに会えて嬉しいよ。
(久しぶりに会えて嬉しいよ。)
よど
三河弁で「よだれ」を意味します。おいしいものを見た時の反応などに用いられます。
例:
あの美味しそうなケーキを見ると、よどが止まらない。
(あの美味しそうなケーキを見ると、よだれが止まらない。)
三河弁「ら行」単語一覧
らんごく
「散らかった」や「乱れた」という意味の三河弁。物が散乱している状況を表す際に用います。
例:
この部屋、らんごくだね。
(この部屋、散らかってるね。)
三河弁「わ行」単語一覧
わけない:容易、問題ない
わらかす:笑わせる、ユーモアを与える
わけない
「容易」や「問題ない」という意味の三河弁。場合によっては「わきゃない」とも発音されます。
例:
このパズル、わけないね。
(このパズル、簡単だね。)
わらかす
「笑わせる」という意味の三河弁。楽しい雰囲気を作る時に使います。
例:
また君が授業中にわらかすんだ。
(また君が授業中に笑わせるんだ。)
三河弁の特徴的な語尾一覧
~じゃん:~だよね
~だら:~だろう
~に:~だよ
~りん:~してみて
~じゃん
「~だよね」というニュアンスの三河弁。一般的な会話でよく使われる表現です。
例:
おいしいじゃん、このケーキ。
(おいしいよね、このケーキ。)
~だら
「~だろう」という推測や確認の意を込めた三河弁です。
例:
今日は暑いだら?
(今日は暑いだろう?)
~に
三河弁では「~よ」と表現します。この言い回しに馴染みのない方には、会話が急に終わったように感じられるかもしれません。
例:
明日の集合時間は早いの、大変に。
(明日の集合時間は早いの、大変よ。)
~りん
「~してね」という意味を持つ三河弁。この表現は命令形に近いので、話す際にはその使い方に注意が必要です。こういった独特の言い回しが、三河弁を「日本一汚い方言」として知られる理由の一つかもしれません。
例:
急いでるから、早く食べりん!
(急いでいるから、早く食べてね!)
まとめ
インターネット上で「日本一汚い方言」として話題になっている三河弁について、どう思われましたか?
日本各地には、独特の「汚い」や「怖い」とされる方言が存在しますが、三河弁が最もそうだと断言するのは難しいでしょう。
愛知県東部を訪れる際には、三河弁に触れてみるのも面白いかもしれません。
事前に三河弁の一覧をチェックして、現地での体験をより楽しんでみてくださいね!